2022年2月15日(火)
きょうの潮流
石垣島西部の沖縄県石垣市崎枝は市街地から車で30分ほどの屋良部半島の付け根にあります。サトウキビやコメ、マンゴーなどの栽培や牧畜、クルマエビの養殖などを営みます▼崎枝公民館が昨年発行した地域誌によると、マラリアで1914年に廃村。49年に入植者らが部落会を結成し、いまは約50世帯、100人余りが暮らします。地域誌は歴史や民俗を編みます。崎枝小中学校の児童・生徒が寄稿した「地域研究」では、豊かな自然環境の魅力を▼屋良部半島の真ん中には、生物の多様性を誇る屋良部岳が。カンムリワシの繁殖地として知られるだけでなく、数ミリのヤエヤマヒメボタルや日本最大のドングリの木、オキナワウラジロガシ…▼芽が出て30センチになるまでに数年かかるというこのカシ。樹齢200年といわれる大木5本が一時伐採の危機に。焼失した首里城正殿の復元で使うためです。石垣市から昨年、連絡が入ったときは「首里城の復興に協力できるのなら、との思いだった」と公民館長の石垣喜幸さん▼ところが調べると、伐採は崎枝の繁栄に逆行するのではとの懸念が。植林する苗木がない。ドングリが少なくなれば、今でもときどき姿を見せるリュウキュウイノシシがもっと畑を荒らすのではないか▼県に説明会開催を要求すると、仲介していた市は県に丸投げ。県は公民館側の訴えを受け止め、先月末に伐採見送りを決めました。伐採計画を担ったのは八重山森林組合でした。組合長は現市長。市長選が20日、告示されます。








