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2022年2月13日(日)

きょうの潮流

 うまいタイトルを付けたものです。公開中の映画「テレビで会えない芸人」。コメディアンの松元ヒロさんに密着したドキュメンタリーです▼容赦ない政権批判、20年続けている演目「憲法くん」。爆笑と感動がつまっています。その中から見えてくるのはこの国のいびつさ。ヒロさんが活動の拠点をテレビから舞台に移したのは「はっきりものを言いたかったから」でした▼もとをたどれば、鹿児島テレビが制作し、初めは自局だけで放送。手がけた四元(よつもと)良隆プロデューサーは本紙にエッセーを寄せています。「人々の幸せと豊かな社会を願って」作り続けると▼今、見るべきドキュメンタリーは地方局の手になります。富山の自民党市議らの公金不正使用を追及したチューリップテレビの「はりぼて」、米軍基地問題をすえた沖縄テレビの「菜の花の沖縄日記」。「はりぼて」の完成を支えたのは市民から届く応援メールでした。「菜の花…」は、「沖縄の被害者意識は、もうたくさん」という視聴者の声にディレクターが「人の心を揺さぶる番組」を作ろうと奮い立ちます▼これだけの番組をいったいどれだけの人びとが目にすることができるでしょうか。地元で1、2回放送して終われば、局の資料棚に収められておしまいとなるのが常だといいます▼地方局の番組に光を当てる「地方の時代」映像祭が41年続いています。民放、NHK、自治体などが参加するコンクール。小さき民の姿とその声を伝えると。これらの作品にテレビでこそ会いたい。


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