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2022年2月3日(木)

きょうの潮流

 身体的な暴力や性的嫌がらせを経験した人は半数近く、精神的な暴力をうけた人は半数以上も。訪問看護師が利用者や家族からうけた被害の実態です▼全国訪問看護事業協会が4年前に調べたもので、対象者のほとんどは女性です。こうした被害は介護の現場でも。超高齢社会、そしてコロナと、地域の包括ケアはますます重要になっています。それを担う人たちが日常的な暴力にさらされているとは▼立てこもりが起きた埼玉ふじみ野市の住宅地には花が手向けられていました。亡くなった母親が利用していた在宅クリニックの医師らを息子が死傷させた事件。弔問にきてほしいと自宅に呼んだ医師らに蘇生措置を頼み、断られると散弾銃をむけて発砲したといいます▼撃たれて死亡した医師は、ほかの医療機関で受け入れを断られていたその母親を親身に診ていたと伝えられています。地域の在宅医療に力を注いで多くの患者から頼られ、コロナ感染による自宅療養にも欠かせない人材だったと▼それにしても、いまの社会を根っこから支える人たちがなぜ攻撃され、理不尽に命を奪われなくてはならないのか。大阪のビル放火殺人で犠牲となった心療内科クリニックの院長も、患者らの心のよりどころとなっていました▼専門家は安全で安心して活動できる在宅ケアの環境をつくるための対応や対策を求めます。同時に、いまの世に漂う、やり場のない怒りや不満、孤独感にどう向き合えばいいのか。そういう視点も忘れてはならないでしょう。


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