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2022年1月29日(土)

きょうの潮流

 小学生の時になぜか教室で落語を演じました。ラジオで一度聴いた「時そば」でした。よほど印象に残っていたのでしょう▼江戸時代には二八そばと言われ一杯16文。15文しか持っていないのに8文払った時に「いま何どきだい」「へえ、九つで」。続けて10、11…と払い1文ごまかすという話。これが税金をめぐるごまかしとなると笑い話ではすみません▼政党助成金を受け取りながら「身を切る改革」という政党のお話。たとえば維新大阪府・市政が誘致しようとしているカジノ。いえカジノではなくIR(統合型リゾート)ですという。カジノ施設の床面積はIR全体の3%でも収益は8割。カジノなしには成り立たないのがIRです▼いえ「IR・カジノに税金は一切使いません」と日本維新の会代表の松井一郎大阪市長はかつていいました。ところが予定地の人工島「夢洲(ゆめしま)」の液状化・汚染土壌対策に約790億円かかると市が発表しました。市の負担です。それで収まる保証はありません▼「夢洲」にアクセスするための大阪メトロ中央線延伸と新駅整備費が当初見込みより約129億円膨らむとの試算もわかりました。地盤沈下やメタンガス防爆対策のためです▼カジノの収益見込みは年4200億円。それだけ損をする人がいるということ。人の不幸を量産するためになぜ税金を注ぎ込む必要があるのか。まねをしてそば代をごまかそうとし逆に損をする。「時そば」の落ちです。博打(ばくち)とごまかしに大阪の未来を委ねるわけにはいきません。


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