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2022年1月28日(金)

きょうの潮流

 石を投げれば自分にも石は投げられる。しかし、小さな石を投げたことは決してむだではなかった。私はいま自分が投げた石の波紋のひろがりを、確かなものと感じている―▼30年前、日本の働く女性の歴史をひらいた裁判で勝利した原告の女性が、当時の心境をそう語っています。まだセクハラという言葉さえなじみのない頃。上司や会社からの性的嫌がらせや性差別に立ち上がりました▼ふしだらで信用できない「女」だと印象付けようとする相手側、一部メディアからの中傷。社会に根付いた偏見と差別にさらされながらのたたかい。その姿がNHKの「逆転人生」で描かれていました▼きょう再放送される番組は当事者の証言をまじえて日本初のセクハラ裁判の意義に迫ります。当時の裁判長が、公判で自分にもステレオタイプの女性観があることに気づいたとふりかえるように、性を人権の問題としてひろくとらえる契機にもなりました▼「声をあげたことに後悔はない」。性暴力を訴え、高裁でも勝訴した伊藤詩織さんも明言しています。当初は珍しいとされたが#MeToo運動が始まり性被害をとりまく環境は大きく変化した。同意のない性交が法によって裁かれる世がくることを信じていると▼いまも性によって抑圧され、人間の尊厳を損なわれているたくさんの女性たち。原告A子として30年前の判決にバトンをもって走り出した晴野まゆみさんはこんな思いを伝えます。次のあなたにバトンを渡せば時代はきっと変わっていく。


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