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2022年1月25日(火)

きょうの潮流

 南米沖を漂っていた巨大な氷山がとけ、あたりの海洋生態系に大きな影響を及ぼした可能性がある―。英リーズ大学の発表を22日付の本紙社会面が伝えました▼茨城県ほどの大きさの氷山は5年前に南極半島の棚氷から分離。英領南ジョージア島の周辺に大量の冷たい淡水と栄養分を放出したとされます。その水量は琵琶湖の約5・5倍に相当するそうです▼南米の先端にむかってのびる半島は南極としては気温が高く、温暖化の影響も見えやすい。棚氷の表面で融解が進み、とけた水が氷のくぼみや割れ目に流れ込んでつくった水たまりが増大。これまでも大規模な崩壊が起きています▼南極は日本のおよそ40倍もの氷の大陸。氷の厚さは平均で2000メートル弱にも。それがとければ海面上昇にとどまらず、大気循環や地殻変動といった地球規模の環境変化をもたらす。氷床研究者の杉山慎さんが『南極の氷に何が起きているか』に記しています▼先の報道と同じ紙面には、海を汚染するプラスチックごみが2040年までに今の3倍に増える見込みがあるとの記事が並びました。国際環境NGOによるもので「地球規模の緊急事態」だと各国に警鐘を鳴らしています▼二つの記事の横で報じられたのは、人類が滅亡するまでの「終末時計」が100秒まで迫っている現実。気候変動や核兵器、コロナ。過去最短が続くのは世界が危険な状況から抜け出せていないからだと。対立ではなく協力、格差ではなく平等。生き残る道はそこにしかないことを。


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