しんぶん赤旗

お問い合わせ

日本共産党

赤旗電子版の購読はこちら 赤旗電子版の購読はこちら
このエントリーをはてなブックマークに追加

2022年1月24日(月)

NHK 地方局に異変

再編・撤退…災害時どうなる

地方の声 伝える役割は

 NHK地方局の再編、撤退の動きが急です。北海道と名古屋で進められている、その現状を見ていきます。NHKで今、何が起きているのか―。(渡辺俊江)


地図
写真

(写真)NHK札幌放送局=札幌市中央区

写真

(写真)NHK名古屋放送センタービル=名古屋市東区

 北海道のNHKは、拠点局札幌をはじめ、旭川、函館、帯広、室蘭、北見、釧路の七つの放送局があります。これを2022年度に道央、道北・オホーツク、道東、道南の4エリアに再編。これまで夕方のローカルニュースは7局から各地域に向けて5分ずつ放送していたのが、室蘭、北見、釧路はなくなり、四つのエリアから15分に拡大して放送になります。

 札幌放送局広報・事業部は「道内7局体制を維持します。統合することはありません」といいます。

 職員等の配置については「地域情報発信の充実と、経営課題である効率的な事業運営と両立させるべく、検討を進める」「スリムで強靱(きょうじん)な『新しいNHK』を目指し、改革を並行して進める」(広報・事業部)とし、人員の削減を示唆しています。

 昨年4月、室蘭の青山剛市長、北見の辻直孝市長、釧路の蛯名大也市長の3人が、NHK理事らに面会。現行のローカル枠と業務、人員体制を維持するよう要請しました。

 NHKの元職員は次のように話します。

 「エリア再編の『弊害』と感じさせない放送をこれからも出していくと思います。今後、NHKは札幌局などからキャラバンの移動方式での放送も考えるでしょうが、(再編される3局が)果たしてかつてのような“おらが放送局”と思ってもらえるかは疑問です」

 「災害が発生すれば、おそらく札幌局仕切り以外では持たないでしょうし、各局は減らされた職員がギリギリの対応を迫られます」

 一方、名古屋放送局は来年度、テレビドラマ制作部門が東京の放送センターに統合されることになりました。

 名古屋は東京、大阪に次いで数多くのドラマを送り出してきました。50年続いた「中学生日記」、企業ドラマ「鉄の骨」、戦争を題材にした「最後の戦犯」「気骨の判決」などがズラリと並びます。制作予算が削減される中で、サービス低下にならないように現場では議論が続きました。

 昨年11、12月放送の「阿佐ケ谷姉妹ののほほん二人暮らし」が名古屋制作の最後のドラマ。地元を愛し、地域に支えられた姉妹の姿は名古屋局に通じるものがありました。


pageup