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2022年1月21日(金)

きょうの潮流

 生まれたときの干支(えと)にかえるところからいう還暦。ほんらいは数え年61歳の異称でしたが、いまは満60歳を迎えたときに祝うのが一般的です。今年は1962年生まれがあてはまります▼中国から伝わった干支は、甲・乙・丙(へい)など10種類からなる十干と、子(ね)・丑(うし)・寅(とら)などの十二支を組み合わせたもの。60年周期で人生ひとめぐり、と思えば感慨深いか。いまでは長寿の祝いも還暦からです▼この正月ふるさとで“還暦仲間”と会う機会がありました。子どものころの思い出話に花が咲くなか、話題はこれからの身の振りに。まさか、こんなことが…。家族で営んでいた飲食店を閉じることになり、息子と職探しをはじめたと▼これまで上がってきた階段から、いきなり転がり落ちたような人生の暗転。これまでコロナ禍によって同じ心情や境遇にたたされてきた人はどれほどか。やけになり、誰彼かまわず命を巻き込む事件も相次いでいます。生きていてもしょうがない、こんな気分がひろがれば世も末です▼ふたたびの感染拡大はとどまることをしらず、過去最多を大幅に更新し続けています。各地に制限もかかり、ちまたには「またか」のうんざり感や嫌気が漂います▼そんなときこそ、欲したくなるのが生きるよすがです。いま国民の命を守ることが最優先ですが、それとともに希望がみえる政治が切に求められています。還暦の祝いで赤いものを身に着ける風習は、魔よけと赤ちゃんに還(かえ)る由来から。人生ふたたびがんばろう、そんな社会を。


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