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2022年1月18日(火)

きょうの潮流

 深夜の警報に、跳び起きた人も多かったのではないか。寒さで凍る未明の避難、眠れなかった受験生…。神奈川県では緊急速報メールが誤って何度も配信され、音がうるさく携帯の電源を切る人が相次ぎました▼南太平洋のトンガ諸島であった海底火山の大噴火は、わずか半日後に日本の潮位を上げました。気象庁は当初、津波被害の心配はないと発表。しかしその後、潮位の上昇がみられたことで広範囲に警報や注意報を出しました▼「通常の地震に伴う津波とは異なる潮位の変化だったため、発令の判断が困難だった」。異例の現象を、大気を介した津波のひろがりだったと指摘する専門家もいます。噴火で発生した「空振」と呼ばれる衝撃波が津波を引き起こしたと▼「平穏な海」と訳される太平洋。探検家マゼランが命名したとされていますが、実際はいくつもの海溝や海底火山が連なり、活発に活動しています。水面下で営まれている地球の鼓動は、われわれの予測や想像をはるかにこえるスケールで脈打っています▼きのう、発生から27年をむかえた阪神・淡路大震災。多大な犠牲から学んだ教訓の一つに、状況が伝わらず、政府の初動体制が遅れたことがあります。今回もトンガ国内の被害の全容は不明で支援が待たれています▼異例の災害もそれから先は経験済みへと変わります。地震・津波・噴火。かたちを変えた災害にくり返し見舞われる私たちの列島。その教訓をこれからに生かし、備えることが命を守ることにつながります。


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