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2022年1月4日(火)

きょうの潮流

 先月知り合いからいただいた冬至カボチャのほっこりとしておいしかったこと。小さいころから食べなれた小豆には、どこか心を和ませるものがあります▼NHKの連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」でしばしば登場したのが、3代続く和菓子店のおはぎです。ゆで小豆づくりの際のおまじない―「おいしゅうなれ、おいしゅうなれ」と練り上げる場面が忘れられません▼ドラマでは、店のおはぎづくりの最中に、太平洋戦争の開始がラジオに流れました。実際の歴史ではその翌日、戦争に反対しているとみられる千人余が日本中で検挙されます。事実上の予防拘禁です。作家の宮本百合子もその一人でした▼百合子は戦後早く、「ひろ子」を主人公にした『風知草』で当時を回顧しています。暑い夏を巣鴨拘置所で暮らし、皮膚の弱いひろ子は、風のまったく通らない監房で、体中の毛穴一つひとつに細かい赤い「汗も」ができ、「全身がゆで小豆の中におっこちた人形のようになった」と巧みに表現しています▼熱射病で昏倒し、意識が回復するまで2日かかり、昏睡のまま家へ。拘置所の窓の前に置いてあるのに風がないため、細い葉先さえそよがない風知草は、建物を蒸し、こがし、死の手前まで追い込んだ象徴に思えます▼舞台は終戦直後。弾圧に屈せず、敗戦で獄中生活から解放された夫との生活と、国民の前で公然と活動を始めた日本共産党と赤旗編集局の出発点を描いています。党創立100周年の今年、読みたい本の一つです。


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