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2021年12月31日(金)

きょうの潮流

 セーター1枚がほしかった、食べていくことができない―。年末、東京都内で開かれた女性のための相談会には、くらしや健康、困り事の相談が次つぎと寄せられました▼コロナ禍で職場を失い、収入も減った非正規で働く多くの女性たち。仕事や家庭、人間関係など重なりあう悩みをかかえる傾向があり、これまで社会から置き去りにされてきた女性の問題がうきぼりになってきた。そう主催者はいいます▼各自治体の相談機関への件数もコロナ前の2倍以上の水準が続いています。年の瀬に困窮する人びと。そんななか、各地でとりくまれている生活相談や食料支援の活動は命綱になっています。実際に、助かりました、こういう場がほしかったとの声が続々と▼なかには話せて気持ちが楽になった、新しいきっかけをもらったという人も。苦難のなかで支えあう姿に、人間のぬくもりを感じます。一方で年明けから緊急事態宣言がくり返されたこの1年、切実な思いに国はこたえてきたのか▼最大の波が襲ってきた夏にオリパラを強行し、医療現場や保健所をさらに追いつめ、自宅で命を落とす人が相次ぎました。支援は必要とする人にとどかず、不備ループという言葉がうまれるほど給付金の申請も難しく▼コロナに明け暮れた2021年。またも感染のひろがりにおびえながらの年越しは、国内外に暗い影を落としています。新しい年こそ、明るい展望が開けるように。寒風のなかで人と人がつながりあう姿に、希望の光を見いだしながら。


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