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2021年12月26日(日)

4中総決定を力に民青同盟の発展と青年・学生党員拡大の前進を

全国都道府県青年・学生部長会議開く

 全国都道府県青年・学生部長会議が23日、党本部で開かれました。2020年10月以来の開催です。会議の目的は、(1)第28回党大会以来の青年・学生分野の前進の教訓と課題を明らかにして、豊かな経験、困難を出し合って交流すること、(2)第4回中央委員会総会決定が提起した青年・学生分野での党員拡大へ民青同盟への援助と党のとりくみを具体化し、新歓の成功など世代的継承をめざす党づくりを前進させることです。山下芳生副委員長・党建設委員会責任者があいさつし、吉良よし子青年・学生委員会責任者が報告しました。討論では22人が発言。若林義春党建設委員会責任者代理がまとめを行いました。

山下芳生 党建設委員会責任者があいさつ

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(写真)山下芳生 党建設委員会責任者

 会議の冒頭、山下芳生党建設委員会責任者があいさつしました。

 山下氏は、総選挙の教訓を明らかにした4中総決定が、がっかり感を乗り越えて、前向きのエネルギーを広げる大きな力になっていると述べ、共闘で政権交代をめざす次のチャンスに生かすべき最大の教訓の一つが若い世代の中に党をつくることだと指摘しました。

 「新しい政治を開き、綱領実現の道へと発展させていくためには、日本共産党が若い世代の中に大きく根をはり、若い世代とともに政治を変革する力を持つことがどうしても必要です」と強調しました。

 1年間の民青と党の共同の努力で民青同盟員が現勢で前進に転じ、学生党員数も前進しており、全国の党組織を励まし、大きな希望となっています。

 今年4月に気候変動に危機感を持っている10代20代の青年と懇談した際の「気候危機のことを考えると勉強も手に付かない。世界がこのまま変わらないんだったら2人目の子どもは絶対産まない」という発言を紹介。こうした若い世代が気候危機を自分の未来に直結する問題として切迫感を持って捉え、行動していると述べ、「気候危機でもジェンダーでも暮らしや格差の問題でも若いみなさんが現状に強い危機感を感じ答えを求めている。その多くは、まだ政治とはつながっていませんが、政治とつながったらすごい力になる」と語りました。

 そのうえで、「『気候危機を打開する2030戦略』など、若者の未来に責任を持つ政策と展望を示せる日本共産党の躍進を若い世代も求めているのではないでしょうか。そのことに確信を持ってさらに奮闘しよう」と呼びかけました。

吉良よし子 青年・学生委員会責任者が報告

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(写真)吉良よし子 青年・学生委員会責任者

 吉良氏は報告の第一に、党大会以来の青年・学生分野の前進の意義と教訓、課題について述べ、とりくみの到達点について次のように指摘しました。

 民青の年間拡大では、2006年以来の到達となり、19年ぶりに現勢で前進し、学生分野では民青同盟員が昨年の2割増となるなど、同盟員でも党員でも前進しました。学生党支部、民青の学生班づくりでも貴重な前進を開始。前進の軌道に乗せることができていない県でも、今後の前進への手がかりをつかみつつあります。

 この1年余の経験は、青年・学生分野で、今の党の力でふさわしいとりくみをすれば、前進をつくることができるという展望を開くものとなっています。

 では、どうとりくむのか―。

 吉良氏は、各都道府県アンケートや先の民青全国大会の討論をふまえて、前進の教訓について、各地の経験を紹介しながら解明しました。

 一つは、コロナ禍のもと、食料支援活動のなかで自民党政治が格差と貧困をもたらしていることに少なくない青年・学生が気づき始め、「自己責任」論を乗り越える流れが発展していることです。

 二つは、党機関の積極的対応こそ、青年・学生分野の前進の機動力になるということです。

 三つは、「青年名簿」づくりなど、4中総決定が提起した政権交代をめざす新しいステージにふさわしい選挙方針を参院選にむけ位置付けてとりくむことです。

 このなかでとくに、党機関のとりくみが「今後の青年・学生分野を発展させるうえで極めて重要になっている」と述べて、4点をあげました。

 第一は、党大会第二決議が提起した、党機関が体制を強化して青年・学生の学習の援助と親身な相談相手となっているところで前進をつくり出していることです。

 第二は、志位和夫委員長の「学生オンラインゼミ」をはじめ、党機関による民青への徹底した学習の援助です。

 第三は、たたかいの発展のなかで加盟した民青同盟員が班活動への参加と結集を強め、学習の援助を強めるなかで大きく成長していることです。

 第四は、党の援助として、「青年・学生が主人公」を貫き、青年自らの力で党と民青の組織と運動をつくれるようにしたことです。

 そのうえで、課題も明らかになっていると述べて、▽一定の都道府県での前進にとどまっている状況を変え、全県で前進をかちとる▽前進を始めた都道府県でも、規模は端緒的で、民青が世代全体に影響を及ぼすような運動と組織をつくるには数倍の規模で前進が必要―と指摘。「この間の重要な教訓を生かし切れば、今後の情勢がどう変化しようとも青年・学生分野での前進・飛躍は可能です」と呼びかけました。

参院選に向けた目標と方針

 吉良氏は、報告の二つ目の柱として、4中総決定にもとづく参院選に向けた目標と方針を明らかにしました。

 まず目標です。

 民青拡大では、民青全国大会の目標(年間1500人、2017年比で同盟費納入同盟員を1・75倍に)を党と民青の共同の事業の目標として一刻も早く達成できるようにします。

 党として、党の県・地区委員会で対応する民青班の再建・強化をはかり、学園班のいっそうの結成・強化、地域、職場、高校生班の結成・強化の目標をもつようにします。

 青年・学生党員拡大では、参院選公示までに1500人をめざし、学園支部結成に本格的に挑戦します。

 続いて、目標をやり切る活動方針について、4中総決定の「3本柱の活動」を青年・学生分野で具体化することを前提に、中心的なポイントや留意点について述べ、総選挙で始まった「青年名簿」の作成と活用を全党で進め、参院選に向け青年・学生の中で対話・支持拡大に踏み出すこと。4中総が提起した「格差・気候危機・ジェンダー 若者と未来を語り合う全国キャンペーン」をすすめること―をあげました。

 吉良氏は、民青への援助を強めることと、そのなかでの党員拡大を抜本的に強めることに話を進めました。

 民青拡大では、民青全国大会の成果を生かし、党の県・地区委員会で民青との懇談をすすめることを呼びかけ、(1)要求実現の運動と一体に、結びついた青年・学生に働きかけることを独自に追求する(2)週1回の班会と科学的社会主義、党綱領の学習の援助を強める(3)今からよく準備と実践を重ねながら、学園、高校で新歓にとりくみ、職場でも可能なところで新歓にとりくむ―を提起しました。

 党員拡大では、「強く大きな民青をつくり発展させていくうえでも、党の世代的継承をすすめるうえでも、青年・学生党員を迎えることが喫緊の課題になっていることは、全国の共通した思いになっています」と述べて、民青の前進で条件・可能性は大きく広がっていると強調しました。

 世代的継承を「党支部と連携しつつ、党機関が直接責任をもって」と指摘した4中総決定を引いて、民青グループ、学生支部との協力をすすめ、党機関が青年・学生党員の対象者をつかみ、働きかけることに力を尽くそうと訴えました。

 青年・学生の中に、「赤旗」電子版の普及、日刊紙の学生割引、「お試しキャンペーン」の活用をすすめる、学生新歓をコロナ禍の制限と対面の可能性の両面から方針を練り、具体化することを訴えました。

 党機関や議員団、民主的な運動や職場などで、将来を担う後継者をつくるとりくみに触れて、青年党員に見合う系統的な教育が土台になるなど、粘り強い努力が必要だと述べました。

 吉良氏は最後に、青年・学生分野での前進は、前回会議以降、全国で学び合ったことが力となったと述べ、今回も大いに討論で交流して世代的継承を本格的な軌道に乗せる挑戦を強めましょうと呼びかけました。

若林義春 党建設委員会責任者代理がまとめ

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(写真)若林義春 党建設委員会責任者代理

 若林氏がまとめを行いました。討論では、驚くような豊かな経験が語られ、全党に勇気をあたえるものとなり、4中総決定実践の高い決意も交流されたと述べました。

 そのうえで報告にかかわって大事な5点を明らかにしました。

 第一は、この間の青年・学生分野での前進は、端緒的ではあるが、党の歴史にとっては極めて意義のあるものだということです。

 民青拡大では15年ぶりの成果で、質の面でも「たたかう力」を大いに広げながら前進しており、画期的なものだと、歴史的な経過も振り返りながら、強調しました。

 そして、この前進の根底には、私たちの働きかけがあれば、短時日に変化、成長する今日の青年・学生の奥深い変化があること、それがまた、党と民青のがんばり次第で青年・学生の世代全体を変える展望をも示すものとなっていると指摘しました。

 第二は、報告で強調されたこの間のとりくみの教訓についてです。

 まず、この1年間のとりくみでは、世代的継承を党活動の後景に絶対に追いやらないことが今日の前進をつくる最大とも言ってよい教訓になったと述べました。

 そして、党機関のとりくみの教訓としてあげた4点を今後に生かし、大いに前向きにとりくんでいく必要があることを強調しました。

 系統的な相談、徹底した学習の援助、たたかいと結んで青年自身の力で組織と運動をつくる―などを詳しく述べ、「これらの教訓を身に付ければどこでも必ず前進できる」と激励しました。

 第三は、4中総決定にもとづくとりくみの留意点です。

 民青拡大では、党自身の構えとしては「組織の倍加」だと指摘し、(1)青年・学生の要求実現のたたかいを起こし、これと結んで民青拡大で全都道府県が飛躍をつくる(2)そのためにも、これを支える青年・学生党員拡大を前進させる(3)新歓で過去最高をめざす(4)援助できる体制をつくり高校生同盟員を増やす――という4点を強調しました。

 第四は、党機関と地方議員の後継者づくりです。この点で、「粘り強くとりくむこと」として、若手専従者の系統的な教育の機会をつくることが大事だと各県の具体的なとりくみも紹介し、激励しました。

豊富な経験 生き生き交流

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(写真)討論する全国都道府県青年・学生部長会議の参加者=23日、党本部

 討論では、報告をうけ、党大会以来のとりくみの経験、教訓が豊かに深められ、課題も率直に語られるとともに、4中総をうけた新しいバージョンでの青年・学生分野の発展をどう勝ちとるか、意気高い決意や構え、問題意識が交流されました。

ゼロから出発でも飛躍はつくれる

 最初に発言した愛知は、「ある地区で、市議が地域支部と協力して民青を援助、学生ゼロから出発し、食料支援、つどい、街角トークなどで、同盟員を20人ふやし、二つの班をつくった。総選挙後、学生支部の支部総会を開き、結成した」という経験を語りました。

 最後に発言した福島は、「討論を聞いて、ゼロからのスタートでも飛躍をつくれることを確信した」と語り、各県からの感想でも、つよい共感が寄せられました。

 広島は、「青年・学生の変化をみて、党が力を集中すれば前進できる。2年のスパンで見ると、班がない地区も含め、すべての地区が同盟員を迎えた」。

 徳島は、「今年の民青の大会にむけて自ら決めた目標をやり抜き、同盟員8人を迎え、さらに12月に党員2人をふやし、学生支部結成の条件ができた。まったく手がかりのないところから、2年間でやっとここまできた。強い感慨と喜びを感じる」。

 沖縄は、「食料支援は全国最後だったが、その後、大学で5年ぶりに民青が増え、さらに単独班結成という歴史的快挙をとげ、民青の専従県委員長が誕生した」と語りました。

対策強化が県から地区へ

 青年・学生対策の強化が、県から地区に広がっていることも特徴的でした。

 京都は、「ある地区が1年間で学生党員を大きく増やして、集合支部を分割、新たな学園支部結成と展望をひらいた。徹底した綱領と科学的社会主義の学習で、同盟員が成長した」。

 福岡は、「ある地区が、民青との懇談会を毎月続け、党のつながりで3人の同盟員がふえ、うち2人は学生。1人は中央に日曜版を申し込み、総選挙でビラ配布も手伝ってくれた。もう1人は祖父のすすめで日曜版を1年間読み、『ためになった』といって今度は自費で継続を決めた」と紹介しました。

党と民青の共同事業で前進が

 党機関が、「民青との共同事業」を自覚し、積極的対応を強めるなかで前進をつくっていることも多彩に語られました。

 新潟は、「学生現勢調査で、党員、同盟員とも前進し、大学での支部の再建、民青班の活性化がすすんでいる。食料支援など民青と党がいっしょに正面から議論し、班会議の定例化のために、党がよく援助した」。

 静岡は、「食料支援のむすびつきで一気に5人の民青が増え、みんなが驚いた。地域支部も全面協力し、民青は学生からかけがえのない存在になっている」と紹介しました。

 大阪は、「民青が活躍できる場をつくろう、そのなかで拡大を独自追求しようとやってきた。食料支援や総選挙で、民青の活気がとり戻されつつあり、青年が主人公の活動の力強さを実感している」。

 高知は、「12月に5人の民青をふやしました。今年、二つの班結成の展望をひらいた。民青への援助は加盟とともに、成長への援助が重要で、とくに交流の願いが切実」と語りました。

党員拡大の飛躍づくりに挑戦

 民青拡大での前進を確信に、今度こそ党員拡大での前進を勝ちとる決意も相次ぎました。

 埼玉は、「昨年3月の全国会議を起点に、学生党員、同盟員を倍加できた。民青班と学生支部の定期開催にこだわり、会議にくる同盟員はすべて入党対象者ととらえて、学生によりそう親身な援助を大切にした」。

 山形は、「県同盟の十数年来の困難を、党がわが事として援助をつよめ、乗り越えてきた。食料支援をつうじて、地区で次々同盟拡大、班結成がすすみ、世代的継承の可能性と確信を全県にひろげられた。今後、入党の流れをつくりたい」。

 長野は、「学生現勢調査で党員、民青とも近年にない前進がつくれた。『民青はほんとうに楽しい』と同盟員が生き生き活動している。世代全体に影響をおよぼすには、数倍の規模で前進が必要。党員拡大に本気で挑戦したい」と抱負を語りました。

4中総をうけた対策の強化に意欲

 4中総にもとづき、参院選にむけた青年・学生対策強化も活発に議論されました。

 北海道は、「民青大会の最終日に100人目標を達成し、北海道中が大興奮になった。4中総をうけ、道委員会の世代的継承委員会に副委員長3人を入れるなど再構築し、機関の新たな構えをつくった」。

 東京は、「青年・学生対策専念の専従者を11地区に配置した結果、民青拡大が前進し、地区あげての青年対策がつよまるなど大きな効能があった。さらに強化し、4中総実践に全力をあげたい」。

 神奈川は、「学生現勢調査で党も民青も拡大と現勢で倍加を勝ちとった。要求実現と学習の徹底、意識的追求が教訓だ。東京のような地区への専従者の配置を開始するなど、新たな探求を強めたい」と語りました。

 また、高校生対策や後継者づくりなどの新たな方針提起をうけ、「高校生対策はどの地区でもできる。民青班が困難をかかえ、青年対策の手がかりがないといっていた地区が、高校前宣伝ならできるとなって、ビラを配ったら180人、在校生の4割がうけとった」(岩手)。

 「地方議員の後継者づくりは大切だ。昨年民青大会で発言した女性がその後入党し、26歳で津市議選に立候補、ネット上で大きな話題になっている」(三重)などの発言もありました。


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