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2021年12月21日(火)

主張

香港立法会の選挙

民意排除に不信と怒り表れた

 19日投開票された香港立法会選挙で当選者は中国・香港政府に従う親中派一色となりました。政治の民主化や人権擁護を要求する民主派は中国政府が主導した選挙制度によって事実上、立候補すらできませんでした。直接選挙枠の投票率は前回(2016年)選挙の58・3%から過去最低の30・2%に激減しました。民意を排除した、形だけの選挙に対して7割の有権者が批判、不信を募らせた結果であることは明らかです。

審査で立候補の権利奪う

 前回選挙では民主派や、香港独立を志向する勢力が30人当選しました。民主化運動が大きく盛り上がった19年の区議会議員選挙では民主派が圧勝していました。今回は、昨年6月に香港国家安全維持法(国安法)が施行されたことで一変しました。

 国安法は中国・香港政府への批判を「国家分裂」「政府転覆」などとして禁止しました。同法に基づいて、中国の立法機関である全国人民代表大会が選挙制度の改変を決定しました。「愛国者による香港統治」が原則とされました。

 立候補には、親中派が主体の選挙委員会の委員10人の推薦を得た上で「候補者資格審査委員会」の審査を通らなければなりません。基準となるのが中国、香港に忠誠を誓うことや国安法の順守です。今回立候補した153人は全員審査で認められた候補者です。国安法施行以来、民主派は活動家の大量逮捕や議員資格の剥奪で弾圧され、立候補を断念せざるをえませんでした。

 審査委員会のトップは香港政府ナンバー2の李家超政務官です。同氏は治安機関の責任者を務めたことがあります。立法機関の立候補希望者の「愛国心」を行政側が審査して可否を決めるなど、公正な選挙ではありません。

 しかも前回まで立法会定数の半数だった直接選挙枠は全定数90議席のうち20に減らされました。間接選挙枠の70は、中国政府と関係の深い団体と選挙委員会が選出します。いずれの枠でも民主派が議席を得ることは著しく困難です。

 棄権を公然と呼びかけることも禁止され、白票を投じて抗議するようソーシャルメディアで呼びかけた市民が逮捕されました。

 こうした抑圧は香港の地位を定めた香港基本法の「一国二制度」をさらに形骸化させる行為です。基本法が保障した香港住民の選挙権、被選挙権や言論の自由は徹底的に踏みにじられています。

 中国当局による人権弾圧は、人間の自由、平等をめざす社会主義とも相いれず「共産党」の名に値しません。

「人権守れ」の声をさらに

 人権と自由の発展には国によってそれぞれの過程がありますが、国家が人権と基本的自由を守り促進させることは、今日の国際社会で国連憲章にも明記された普遍的な義務となっています。

 中国自身、世界人権宣言、国際人権規約、ウィーン宣言に賛成しています。国際人権規約の自由権規約には自由な選挙の権利も明記されています。

 中国政府には自ら賛成した人権保障の国際取り決めを守る義務があります。国際社会の批判を「内政干渉」として拒否することは通用しません。人権弾圧の停止を中国に求める声をさらに高めることが重要です。


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