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2021年12月17日(金)

竜巻「アマゾンは帰さない」

労働者6人犠牲 利益優先に批判

政府機関 調査開始

 【ワシントン=遠藤誠二】米南部・中西部で10日夜から11日未明にかけて発生した大型の竜巻で、インターネット通販大手アマゾンの集配所で従業員6人が犠牲となったことを受け、安全より利益を優先する同社の姿勢に改めて批判の目が向けられています。労働省が所管する労働安全衛生局(OSHA)は14日までに、調査を開始したと発表しました。

 米メディアは、イリノイ州エドワーズビルにある集配所で犠牲になった一人ラリー・バーデン氏が竜巻に襲われる前に「アマゾンはわれわれを家に帰らせてくれない」とガールフレンドにメールしていたことを報じました。ネットメディアの「インターセプト」は「竜巻を想定した避難訓練をしたことがない」「竜巻を想定した訓練は公立学校でも行っている」「なぜわれわれはやらないのか」など、別の集配所で働くアマゾン労働者の声を紹介しました。

 小売り・卸売り・百貨店労働組合(RWDSU)は「竜巻警報が出るなか、労働者が仕事をさせられていることは許されない」「従業員の安全と健康より利益を優先させるアマゾンの姿勢がまた示された」との声明を発表しました。

 ニューヨーク市にあるアマゾン集配所で、新型コロナ対策が不十分だと訴え解雇され、現在、同集配所で労組結成をめざしているクリスチャン・スモール氏も、従業員の犠牲は「荒天時に労働者を家に帰す措置をとらずに緊急事態を無視した結果だ」と指摘。「怒りを覚えるが驚くべきことではない。われわれは常に不利な状態に置かれている」とツイートしました。

 調査を開始したOSHAの報道官は「6カ月で調査を終える。安全・衛生面での基準違反があれば、処罰の勧告を行う」と語りました。


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