2021年12月16日(木)
きょうの潮流
「親ライオンに谷底へ突き落とされて、手が差し伸べられないってだけじゃなく上から石を投げつけられたみたい」。若い教師と教師を目指す学生の座談会(『人間と教育』2021冬号)で、採用1年目の教師が語った言葉です▼やり方を教えられないまま仕事を振られ、うまくできないと叱責される。中学生との関わり方も「なめられないように、もっと強く注意しろ」といわれ、自分なりのやり方を否定される。そんな中で悩んでいるといいます▼座談会では「#教師のバトンプロジェクト」も話題に。教師のなり手不足解消のために、現職教師に仕事の魅力をツイッターなどで発信してもらおうと、文部科学省が今年3月に始めました。ところが「魅力」どころか長時間過密労働で休憩なし、休日も仕事というのが現実で「とてもバトンを引き継げない」という「悲鳴」が殺到しました▼今年採用になった教師はこれをみて「どんどん不安になってきました…絶望的になりました。四月一日に職員室に行きたくなさすぎて」といいます▼厳しい中でも子どもたちのために日々、教師は努力しています。助け合い、若手を支え、授業も話し合いながら工夫している学校もあります。だからこそ教員定員をもっと増やしてほしい▼座談会の終わりに若い教師がいっています。「百%完璧じゃなくていい。それでも毎日楽しいです。多分子どもも。だから教師になってよかったな、バトンをいただいてよかったなと思う毎日」。救われる思いがします。








