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2021年12月14日(火)

週4日労働 米でも機運

下院 進歩議連が法案支持

「利益よりも健康や幸せ優先する時」

 【ワシントン=島田峰隆】米議会の「進歩議員連盟」はこのほど、下院に提出されている週4日労働制を導入する法案に支持を表明しました。欧州で週4日労働制の実証実験が取り組まれるなか、米国でも議論が活発化しそうです。


 同議連には民主的社会主義を掲げる議員を含む下院議員95人と上院議員1人が所属し、下院では4分の1近くを占めます。いずれも民主党です。

 法案は今年7月に同党のマーク・タカノ議員が提出しました。残業代が発生しない通常の労働時間を現行の週40時間から32時間に短縮し、事実上、週4日労働制を実現する内容です。米労働総同盟産別会議(AFL・CIO)やサービス業国際労組(SEIU)など主要労組が支持しています。

 タカノ議員は「週4日労働制を実験した国や企業の多くで生産性の向上や賃上げなど成功をはっきりと確認できた」と指摘しています。進歩議員連盟は7日の声明で支持を表明し、法案は「今日的なビジネスモデルへの移行」だと強調し、成立を呼び掛けました。

 同議連の共同代表ジャヤパル下院議員は同日、「企業の利益よりも労働者の健康や幸せ、尊厳を優先する時だ」と強調。「週32時間労働は(企業の利益と労働条件の)バランスをとるうえで大きな役割を果たす」と表明しました。

 英団体「週4日労働キャンペーン」の実証実験担当者ジョー・オコナー氏は9日、本紙に対し「重要な動きだ。生産性を重視した短時間労働こそ将来の働き方だ」と歓迎しました。米国とカナダでは来年、25企業が6カ月間、週4日労働制の実証実験に参加する見込みだとしています。

 週4日労働制をめぐっては、アイスランド政府とレイキャビク市議会が2015~19年に実証実験を実施。大半の職場で生産性が維持ないし向上し、労働者のストレスが減りました。

 スペイン政府は今年1月、企業が労働者の賃金を維持しつつ週4日労働制に移行する実証実験の実施に合意しました。ニュージーランドやフィンランドの首脳も賛意を示すなど世界的な広がりを見せています。


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