2021年12月11日(土)
きょうの潮流
「いわゆる敵基地攻撃能力を含め、あらゆる選択肢を排除せず、検討していく」。6日に開会した臨時国会。岸田文雄首相は、歴代政権が「違憲」としてきた敵基地攻撃能力に言及しました▼「敵基地攻撃」という概念が生まれたのは、1956年2月29日の衆院内閣委員会での鳩山一郎首相答弁(船田防衛庁長官代読)。日本に誘導弾攻撃が行われ、「他に手段がない場合、誘導弾基地を叩(たた)くことは、法理的には自衛の範囲に含まれる」というものです▼ただ、これはあくまで「法理」上の想定であり、実際に誘導弾基地を叩く「敵基地攻撃能力」とは厳密に区別されていました。59年3月19日、衆院内閣委員会での伊能防衛庁長官の「平生から他国を攻撃する兵器を持つことは憲法の趣旨ではない」という答弁が、そのことを明確に示しています▼理論上は排除されないが、「能力」の保有は憲法違反、つまり現実には敵基地攻撃はできない。これが、今日まで維持されている政府見解です▼この見解の破壊に挑んだのが安倍晋三元首相です。集団的自衛権の行使容認に続く“標的”でしたが、最後は辞任に追い込まれたため、「敵基地攻撃能力」を検討せよと次期政権に異例の指示を出しました▼この指示に、誰よりも忠実に従っているのが岸田氏です。「安倍・菅政治」の単なる継続にとどまらず、憲法9条改悪、大軍拡を含め、涼しい顔をして、安倍氏以上の危険なことをやろうとしている…。岸田氏の本性を告発していくことが必要です。








