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2021年11月30日(火)

きょうの潮流

 ふたたび世界が門戸を閉ざそうとしています。南アフリカなどで見つかっている新型コロナウイルスの新たな変異株。15番目のギリシャ文字「オミクロン」と名づけられ、各国は次々と渡航制限に動いています▼「世界規模でワクチン接種を進めないかぎり、感染拡大を終息させることはできないことが明確になった」。WHO(世界保健機関)が懸念すべき変異株としたことを受けたバイデン米大統領の声明です▼先進国では3回目の接種がいわれるなかワクチン格差は広がる一方です。アフリカ疾病対策センターによると接種率は全人口の1割未満にとどまり、物流の問題から多くの国で困難に。さらに遅れは医療従事者にも影響し感染抑制の努力が阻害されているといいます▼G20の国がうけとっているワクチンの量はサハラ以南のアフリカ諸国と比べて15倍も多い。先月末、ユニセフの親善大使らが呼びかけました。「ワクチン格差は最貧国の足かせとなっているだけではない。世界中の国々の足を引っ張っている」▼日本政府も全世界からの外国人の入国を禁止することを決めました。抑え込みに全力をつくすことは当然ですが、それだけで問題は解決しません▼ワクチン調達の国際的な枠組み「コバックス」の供給量が減らされたとき、WHOはこう警告していました。「ワクチン供給の驚くべき不公平と深刻な遅れは、アフリカ地域をワクチンに抵抗がある変異株の温床に変える恐れがある」。全世界が振り出しに戻るかもしれないと。


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