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2021年11月23日(火)

主張

自民改憲体制強化

新局面に9条守れの声大きく

 第2次岸田文雄政権が、憲法9条の改定に向けた危険な動きを強めています。任期中に改憲を実現すると繰り返している岸田首相は、自民党の「憲法改正推進本部」を「憲法改正実現本部」に改組して体制を強化し、国会での憲法議論の加速を企てています。衆参の憲法審査会で改憲案をまとめ、国民投票に持ち込むことが狙いです。総選挙後の新たな局面の下で、9条改憲を許さない世論と運動を広げることが急いで求められます。

「しっかりやる」と明言

 岸田首相は、19日の内閣記者会のインタビューで改憲について、「新しい体制になってしっかりやるという決意、覚悟を示さなければいけない」と改憲体制を強める理由を語りました。

 岸田首相がこれまでの「推進本部」から「実現本部」に切り替え、古屋圭司政調会長代理を本部長、新藤義孝衆院憲法審査会筆頭理事を事務総長に据えたのも、改憲に向けた並々ならぬ意欲を示したものです。古屋氏と新藤氏は、改憲に意欲を燃やす安倍晋三元首相の盟友で、侵略戦争を美化する日本会議国会議員懇談会の中心メンバーです。新藤氏は自民党が改憲機運を高めると新設する「憲法改正・国民運動委員会」のトップも兼ねます。

 岸田首相は、自民党がまとめた憲法9条に自衛隊を明記するなどの改憲4項目のうち、一部を先行させてでも、改憲発議を急ぐという意向も表明しました。

 安倍元首相が言い出した9条改憲は、憲法に自衛隊を書き込むことで9条の戦力不保持・交戦権否認の規定を空文化・死文化させて、自衛隊が大手を振って海外での戦争に参加できるようにするものです。自民党内では自衛隊が「敵基地攻撃能力」を保有することや軍事費の大幅増額など、9条破壊の動きも相次いでいます。改憲と連動して、日本を「戦争する国」に変えようとする、危険なたくらみです。

 自民党、公明党、日本維新の会の改憲勢力は、さきの総選挙で改憲案を発議できる3分の2の議席を確保しました。日本維新の会は、来年の参院選と同時に改憲の国民投票を行うと主張しています。選挙公約に9条改定論議を行うと明記し、国民民主党と憲法審査会の議論の加速で合意しました。岸田政権の改憲策動を後押しする重大な動きです。

 安倍元首相が固執した改憲は、思い通りには進みませんでした。改憲に反対する市民と野党の力が、改憲を阻止したためです。総選挙後のマスメディアの世論調査でも、岸田政権に優先して取り組んでほしい課題は、「景気や雇用」「年金など社会保障」が8~9割なのに、「憲法改正」は3割にも届かず、10項目のうち最低でした(複数回答、「読売」3日付)。国民が改憲、とりわけ9条改憲を望んでいないことは明らかです。

 主権者の意思に逆らう岸田政権の改憲策動は、立憲主義、民主主義の破壊に他なりません。

草の根の力をいまこそ

 「岸田改憲」を阻むための草の根からのたたかいがいよいよ重要となっています。大軍拡と結んだ改憲策動は東アジア地域の平和と安定にも逆行します。「9条改憲ノー」「9条生かした平和外交を」の声と運動を、いまこそ強めようではありませんか。


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