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2021年11月17日(水)

きょうの潮流

 海につかりながらの訴えでした。スーツ姿の外相が海の中の演台で、日々のくらしにある脅威を語りました。南太平洋の島国ツバルが国連の気候変動対策会議「COP26」で公開した動画です▼そこはかつて陸地でしたが、海面上昇で水没。外相は「あすを守るためにも私たちは今、行動を大胆に変えなければならない」と各国のリーダーに呼びかけました。このままでは国が消えてしまう島しょ国の現実は、まさに気候危機でしょう▼世界の平均気温の上昇を1・5度に抑える努力を追求することで合意したCOP26。目標に達するためには2030年までに温室効果ガスの排出を半減し、50年には実質ゼロにしなければなりません。今後は実現にむけた各国の行動が問われます▼採択前に議長が謝り涙ぐんだように思惑と妥協にゆれた合意。とくに石炭火力発電の表現をめぐっては土壇場で段階的な「廃止」から「削減」に弱められ、落胆の声がひろがりました▼ほかの化石燃料と比べても二酸化炭素を大量に排出する石炭火力。脱石炭は世界の流れですが、それにしがみついているのが日本の岸田政権です。不名誉な「化石賞」の常連国でもある後ろ向きな対策は相変わらず▼異常気象の影響は国内の至る所でも。遅れた政権の姿勢は被災者の苦しみにも背を向けるものです。「私たちだけでなく、あなたの子どもや孫たちをも失望させることになる」。気候正義を求める若者たちの警告は、目の前にある危機と地球の将来に向けられています。


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