2021年11月7日(日)
きょうの潮流
各地で紅葉が見ごろです。名所の一つ、信州小諸の懐古園では紅葉(もみじ)まつりが開かれ、赤や黄、だいだい色の葉に染まった木々が訪れた人を楽しませています▼カエデやモミジの紅葉前線はサクラとは逆に南下。10月の上旬からおよそ50日をかけて列島を北から南へ、1日30キロ弱の速さで進むといわれます。彩られた山々の景色を見ていると、心も浮き立ちます▼森林が国土の7割を占める日本。風景だけでなく古来、山の恵みを受けつづけてきました。しかしいま、その山が荒廃しています。無断で木を伐採する盗伐の横行や広範囲にわたりすべての木を切ってしまう皆伐(かいばつ)で、はげ山がひろがっているのです▼「山を見に来たら、すべて切られていた」「悪質業者が野放し状態になっている」。宮崎県で盗伐の調査にあたった共産党の田村貴昭衆院議員のもとには被害者の切実な声が寄せられました。このままでは山村も疲弊してしまうと▼国が後押しする大規模な伐採は、土砂崩れや豪雨被害をひろげる要因にもなっています。また再造林せずに放置すれば、炭素を増やすことにも。森林破壊の問題は開催中のCOP26でもとりあげられ、100カ国以上の首脳が2030年までに終結させるとする宣言に合意しました▼災害を招くような政策を改め、小規模であっても森林を守り育てる持続可能なとりくみが求められています。それは国土や環境保全、脱炭素社会にもつながるはず。綿々と継いできた自然の風景や恵みを次の世代に贈るためにも。








