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2021年10月26日(火)

きょうの潮流

 「性被害は身近なところにあると気付いた。ひと時も安心していられません」。娘(19)が性暴力被害に遭った母親(57)が、苦しい胸の内を語っていました。11日に大阪で実施されたフラワーデモにその姿が▼娘さんには知的障害などがあります。加害者はそのことに気づき、強引にホテルに連れ込みました。密室で望まない行為を強要する。人としての尊厳を踏みにじる。性的行為に及んだだけでなく、写真まで。携帯電話で撮り、知人らにSNSで送信していました▼性的な画像や動画を同意なくSNSで拡散するデジタル性暴力です。韓国最大のアダルトサイト「ソラネット」は、その舞台でした。ドキュメンタリー小説『ハヨンガ』は、サイトを閉鎖に追い込んだ女性たちのたたかいを描きます▼「雑巾」「便所」などと女性嫌悪の表現とともに、隠し撮りの動画や画像を投稿。薬やアルコールなどで意識を失った女性の画像をアップして「客」を募集。女性は喜びや痛みなどの感情がある人ではなく、“モノ”扱いです▼日本の読者は「特別な存在」だ、と作者のチョン・ミギョンさん。韓国で流通する映像は日本製として法の網から逃れています。日本の女性が性暴力にさらされれば韓国の女性もまた…。女性たちに国際的な連帯を呼びかけます▼女性に対する性暴力の背景には女性差別や女性蔑視が。そのもととなる古い価値観に固執する自民党政治を終わらせたいと、先の母親。総選挙でジェンダー平等を掲げる意味は大きい。


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