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2021年10月23日(土)

きょうの潮流

 4年前、欧州最年少31歳の若さでオーストリアの首相になったクルツ氏が辞任に追い込まれました。自分に有利な世論をつくるため、公金を使ってマスコミを買収した疑いで▼権力者による世論操作。その疑惑は、日本でも。政権を批判する野党や議員、メディアをデマや中傷で攻撃してきたツイッターの匿名アカウント「Dappi」。個人ではなく企業が運営し、自民党と大口の取引があり、深い関係にあることがわかりました▼本紙日曜版のスクープです。それによると、運営企業は都内のビルに本店を置く従業員十数人のウェブ・広告制作会社。得意先は「自由民主党」。社長は自民党本部の事務方トップ、元宿仁(もとじゅく・ひとし)事務総長の親戚を名乗り、本部や都連を闊歩(かっぽ)していたと▼偽りの情報で国民をだます。コラムニストの藤崎剛人さんは、こうした政治工作を「いわば選挙の際、反社会勢力を雇い対立する候補者の事務所に火炎瓶を投げ入れたりすることのネット版」だと批判しています(『ニューズウィーク日本版』)▼民主主義の基盤を掘り崩すとして、岸田首相に実態の解明を訴える藤崎さん。ジャーナリストの青木理さんも「権力やカネを自在にできる者ほど世論を有利に操作できることになってしまう」と追及を求めます▼ネットが影響力をもつ時代にあって、SNSを使った情報提供や考えの発信は政治を身近にする機会にもなっています。しかし政権党や政府が意図的に世論を誘導していたら…。社会は惑い国は壊れてしまいます。


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