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2021年10月22日(金)

きょうの潮流

 アベノミクスの本当の目的は三つある。一つは円安の実現。二つは大企業のための法人税引き下げ。三つは、こうした経済政策のツケを国民にまわすこと。それが消費税増税です▼先月亡くなった経済評論家の内橋克人さんが以前本紙に語っていました。大企業が潤い株高で富裕層が資産をふやす一方、非正規雇用がひろがり所得の不平等がさらに深刻になった。働く側や人間を主語にして経済のあり方を問い続けた論客ならではの喝破でした▼「生きる、働く、暮らす、それを統合するのが人間の営みであり経済なんです」。そんな内橋さんの言葉を、キャスターの国谷裕子さんが番組出演の思い出とともに伝えています(『世界』11月号)。人が人らしく生きていける社会が、つねに根底にあったと▼いま自民党の岸田首相は経済政策を語る中で「成長と分配の好循環」をくり返しています。しかしそこに働く人びとの姿はあるのか。いくら大企業や富裕層がもうけても庶民にはまわらず、賃金も上がらない。さらにコロナ禍で格差と貧困は拡大するばかり▼新味をだすどころか、すでに破綻したアベノミクスにしがみつく政権。企業の調整弁にされ、心身ともに追いつめられていく生身の人間。その転換こそが求められているのに▼内橋さんは生前「花を引き抜くことはできても、春の到来は止められない」という言葉を好んでいました。どんな強権をもってしても来る春を止めることはできない。そして希望の春を野党共闘に重ねていました。


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