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2021年10月7日(木)

きょうの潮流

 大詰めを迎えている朝ドラの「おかえりモネ」。先日の放送でこんな場面がありました。なぜ、気象予報士になったのかと聞かれた主人公が答えます。「だれかの役に立ちたいと思ったから」▼私たちの生活に欠かせない天気予報。気温や風雨、大気の流れや海洋などの観測データを集め、スーパーコンピューターで予測する。そうした気候変動の仕組みを解くことにおよそ半世紀前からとりくみ、地球温暖化予測の先駆けとなったのが真鍋淑郎さんの研究です▼60年代に地球の大気の変化をコンピューターで再現する方法を開発。大気中の二酸化炭素(CO2)が増えると地表の温度が上がることを数値で表しました。その研究は国連の「気候変動に関する政府間パネル」が出した最初の報告書にも生かされています▼好奇心から始まったといいますが、当時はまだ環境問題として温暖化というものが存在せず、疑う声もありました。そのなかで人間の活動が気候に及ぼす影響をいち早く予見、それを科学的な知見で示しました。いまやその研究は世界の温暖化対策を大きく進める政策につながっています▼アメリカでの恵まれた環境のもとで花開いた真鍋さんの研究に、今年のノーベル物理学賞が贈られました。それは高まる気候危機の反映でもあるでしょう▼CO2削減に思い切った緊急行動を―。共産党が気候危機を打開するために打ち出した政策もここに人類の未来がかかっているから。真鍋さんの研究を、世界中の人びとに役立てるためにも。


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