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2021年10月6日(水)

きょうの潮流

 「地球の裏側にもうひとつの違う野球があった」。かつて、日本に来た米大リーグの選手がこんな発言をしたことがあります。いまや隔世の感あり。日本球界から飛躍した選手が全米をとりこにしました▼投打の二刀流を最後まで貫いた今季。大谷翔平選手の活躍は驚きと称賛の連続でした。なにしろ、野球の神様といわれるベーブ・ルースを現代によみがえらせ、元祖二刀流のヒーローを上回る成績を残したのですから▼終盤までタイトルを争った46本塁打を放ち、投手でも9勝。安打、打点、得点と投球回、奪三振の5部門で「100」の大台に到達したのは、ルースもできなかった史上初めての偉業です▼これには、日米でプレーした強打者の松井秀喜さんも「彼こそが真の長距離打者。大リーグの常識を変えた唯一無二の存在」。大谷選手があこがれた松坂大輔投手も「スーパープレーヤー。投球でも打撃でも高いレベルを維持できる」と絶賛しています▼投げて打って走って―。野球の原点ですが、分業化がすすみ技術も向上しているなかでは、すべてに結果を出すのは至難の業。その頂に挑み歴史をつくる姿に、イチローさんは「翔平にしか描けない時代を築いていってほしい」とエールを送ります▼野球を2倍楽しんでいるという本人は「まだまだ上にいけると思っている」。さらなる高みをめざし、たくさんの人びとに勇気や希望をもたらしている大谷選手の無限の挑戦。それは国をこえた、ひとりの人間の可能性をも示しています。


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