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2021年10月1日(金)

きょうの潮流

 10月1日は「日本酒の日」とか。収穫したばかりの新米で、蔵元が酒造りを始める節目の日だそうです▼秋の酒といえば、思い浮かぶのは若山牧水の歌。〈白玉の歯にしみとほる秋の夜の酒はしづかに飲むべかりけり〉と、牧水は独り酒の醍醐味(だいごみ)を歌いましたが、人が集う酒場のにぎわいにもまた独自の楽しみがあります▼いま日本共産党の「居酒屋ポスター」が人気です。赤や白の提灯(ちょうちん)を掲げた小料理屋が並ぶ夜の通りの写真を背景に、「居酒屋の灯を消すな #コロナ自粛には補償を」のスローガン。「SAVE酒場文化」のロゴも。各地の飲食店からポスターを貼りたいという声が上がっています▼酒場文化とは何か。米出身で日本在住の日本文化研究者マイク・モラスキー氏は、著書『日本の居酒屋文化―赤提灯の魅力を探る』(光文社新書)で、居酒屋は「五感をもって満喫する場所」であり「〈味〉よりも〈人〉」「〈消費する場〉としてより〈交流する場〉」と述べ、その社会的な意義や貢献を考察しています▼氏は、米社会学者レイ・オルデンバーグの提唱した「サードプレイス(第三の場)」という概念を基に、民主主義社会には、家庭でも職場でもない、肩書や役割から解放されて一個人としてくつろげる第三の居場所が必要であると説き、日本の居酒屋はその最たる場だと指摘します▼風土に育まれた酒と料理の豊かさ、店主や客との緩やかなつながり、心を整える時間。このかけがえのない居場所を守るために十分な補償を!


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