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2021年9月23日(木)

きょうの潮流

 かつて自民党内の権力闘争をめぐり「振り子の論理」という言葉がよく使われました▼時の首相への金権批判が強まるとクリーンイメージを売り物にした政治家に首をすげかえ、国民の自民党への支持をつなぎとめるという延命手法です。「自民党をぶっ壊す」といって首相になった政治家もいました。実際にぶっ壊したのは国民生活でしたが▼今回の自民党総裁選をみていると、「振る」そぶりすらみられません。国民の支持を失った安倍・菅政治継承の競い合い。安倍前首相への忖度(そんたく)にいたってはあきれるばかりです。たとえば政治の私物化にメスを入れる気はさらさらなさそう▼国有地を8億円も値引きして売却した森友学園事件。当時の安倍首相夫妻の関与疑惑が浮上し、公文書改ざんが発覚。改ざんを強要され自殺した近畿財務局職員の妻がなぜ夫が死ななければならなかったのか「真実が知りたい」と再調査を求めていますが自民党総裁選の有力候補は「再調査の必要はない」「コメントできない」「足りないことがあればていねいに説明」▼安倍・菅政治の応援団も負けてはいません。「菅首相は圧倒的改革派」と持ち上げたのは日本維新の会副代表・大阪維新の会代表の吉村洋文大阪府知事。「どこが改革派やねん」とつっこみたくなります▼振り子のない壊れた古時計は時を刻むことはできません。いや針を逆に回そうとすらしています。自民党内での疑似政権交代では政治は変わりません。野党連合政権しかないじゃないですか。


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