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2021年9月20日(月)

きょうの潮流

 河原井卓(かわらい・たく)さんが入党したのは102歳のときでした。突き動かしたのは安倍政権の暴走。どんなことがあっても、ふたたび戦前に戻してはなるまいとの強い思いからでした▼28歳で召集。南方戦線のマレー半島に送られます。腐乱した死体を踏みつぶしながらの行軍。飢えや病気で死んでいく仲間。現地の人びとの虐殺。そうした犠牲者の血でできている今の憲法を大事にしなければ罰が当たると、口ぐせのように▼背中を押したのは5年前に水戸市で行われた共産党の演説会。対面した志位委員長から「ぜひ、ご一緒に」と誘われ決意しました。これまで4冊の自伝を世に出し、40回を数える講演とともに戦争の悲惨を伝えてきました。そして党の一員に。「これでわが人生は完成だ」▼河原井さんは先日108歳の生涯を閉じました。長男の忠男さんによれば、亡くなる直前まで戦争の話をしていたといいます。「赤旗」を隅から隅まで読み、話すこと、書くことが好きで命が尽きるまで社会や政治とかかわってきたと▼こちらは長崎での被爆体験をツイッターにつづり、1万7千人ものフォロワーをもつ92歳の森田富美子さん。本紙日曜版の最新号で紹介されています。ニュースや国会中継を見るのが大好きで「核兵器廃絶、戦争反対を訴え続けることが私の使命」▼戦後全国にひろがった敬老の日。時代の先人として、たしかに刻んできた日々の営み。味わってきた喜びや悲しみ、楽しみや苦しみ…。それを未来につなげるのは次の世代です。


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