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2021年9月17日(金)

きょうの潮流

 米タイム誌恒例の、世界で最も影響力のある100人。今年は6人のスポーツ選手が選ばれ、そのなかにシモーン・バイルスの名前がありました▼リオ五輪で個人総合をはじめ四つの金メダルを獲得した米体操女子のエース。東京五輪では「心の健康」を理由にいくつかの種目を棄権していました。ある事件が放置されてきたことが重荷の一つになってきたと明かしています▼長年にわたってくり返されていたチームドクターによる性的虐待。複数の選手とともに米議会の公聴会で証言したバイルス選手は、被害の深刻さとともに対応を怠った捜査当局や競技団体を痛烈に批判しました▼「彼の虐待を可能にし、実行させた制度全体を非難する」。事件の扱いを軽くするため証言を改ざんされたと話す選手も。対応の遅れが多くの被害者をうみ、苦しみは今もつづいていると訴えました▼日本では警察庁長官に中村格氏が就いたことに批判がひろがっています。中村氏といえば、伊藤詩織さんが性暴力を受けたとして勝訴した記者への逮捕状を握りつぶしたとされる人物。加害者は安倍前首相と親密な関係でした。新たな警視総監とともに「元官邸ポリス」といわれ、政権へのそんたくの強まりが懸念されます▼選手たちの訴えに、FBI長官は「あってはならないことだった」と謝罪しました。伊藤さんの勇気ある告発も社会を動かしました。権力や権威に屈しない被害者たちに連帯し、ともに声を上げて立ち上がる。それが世界を変えていきます。


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