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2021年9月9日(木)

きょうの潮流

 次の時代をひらくキーワードは「ケア」と「エンパシー」らしい。まだなじみのない言葉ですが、最近手にした本に触発されました▼ケアとは世話や配慮、手入れを意味し、だれひとり取り残さないという倫理を内包します。私たちは他者とのつながりのなかで存在し、地球の生命を維持するシステムに依存して生きている。そうした理解のもとで公平に人びとを支え、共同体としての世界をめざします(『ケア宣言』)▼他者の感情や経験などを理解する能力を意味するエンパシー。自分とは違う世界を想像し、わかろうと努める。その力を身につけることは多様性の時代にあって、ますます重要になってきます(ブレイディみかこ『他者の靴を履く』)▼いずれも新自由主義といわれる弱肉強食の社会からの脱皮をはかるうえで欠かせない視点です。人類が築き上げてきてしまった男性中心の政治や社会を変えるためにも▼ようやく、ついに、待ちに待った。受けとめはさまざまですが、市民と野党の政策的な旗印がたちました。コロナ対策をはじめ、どれも安倍・菅政治を根本からチェンジするもの。政権交代が実現し、これまでの政治と最も対峙(たいじ)してきた共産党が入れば、画期的な時代が始まるでしょう▼『ケア宣言』を訳した岡野八代さんは「市民の手にも政治を取り戻さないといけない」と。権力が束になっておそいかかってくるであろう厳しい選挙戦。それを勝ち抜いた先に、わくわくどきどきの新たな地平が広がる世界が待っています。


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