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2021年9月5日(日)

きょうの潮流

 スナフキンにミイ、スニフにスノーク。ムーミン一家とその仲間たちは、じつに個性的です。性格や行動、考え方をはじめ、さまざまな人間のタイプをそこに映し出しているかのように▼戦争を体験した作者トーベ・ヤンソンは多様な生きものを通して、寛容で自由な世界を描きました。愛や友情、平和といった普遍的なテーマをおりまぜ、いまも世界中の人びとに親しまれています▼世界観に合わない―。化粧品大手のディーエイチシー(DHC)がムーミンのキャラクター商品を売り出したところ、批判が相次ぎました。生産中止を求めた本国フィンランドの著作権管理会社は「いかなる差別も助長、許容するものではない」と▼DHCはホームページ上に吉田嘉明会長名でたびたび差別的な文章を掲載。「日本の中枢を担っている人たちの大半が今やコリアン系で占められているのは、日本国にとって非常に危険」などと在日韓国・朝鮮人を執ように侮蔑してきました▼DHCの不買運動が起きていた韓国からは撤退を余儀なくされ、連携協定を解約する自治体も出ています。先日は沖縄の基地反対運動をおとしめデマを流した関連会社のDHCテレビに、賠償金の支払いと謝罪文の掲載を司法が命じました▼番組で中傷された原告の辛淑玉(シン・スゴ)さんは「私を使って沖縄の平和運動を愚弄(ぐろう)する、最も悪質なフェイクニュースだった」。他者を攻撃し、ないがしろにする。およそムーミンの世界とかけ離れた企業は時代からも淘汰(とうた)されてゆくでしょう。


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