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2021年8月17日(火)

アフガン政権 崩壊

米の軍事対応破たん

タリバン 首都を制圧

 今月末までの駐留米軍撤収を見越し、アフガニスタン各州の都市を次々制圧してきた同国の反政府勢力タリバンは15日、政府側の最後の拠点だった首都カブールに進軍し、大統領府を制圧しました。ロイター通信などが伝えました。ガニ大統領は国外脱出し、「タリバンが勝利した」とアフガン政府崩壊を認めました。


 9・11同時多発テロを受けた2001年の米国主導のアフガニスタン報復攻撃が当時のタリバン政権を崩壊させ、約20年におよぶ多大な犠牲の末に、同国は再びタリバン統治に後戻りします。道理のない軍事対応の破たんが示されました。

 中東の衛星テレビ局アルジャジーラは16日、大統領府を占拠するタリバン戦闘員らの姿を伝えた上で、タリバン報道官が戦争終結を宣言し、新政権の樹立については間もなく発表されると述べたと報じました。

 15日のタリバン進軍を受け、首都の国際空港には退避を望む数千人の市民らが詰めかけ、銃声が響くなど混乱。カブール市内の通りも脱出を試みる車で埋まりました。

 国連のグテレス事務総長は同日、人命保護のために「最大限の自制」をタリバン含む全当事者に呼び掛け。また、タリバン統治下での女性の権利後退にとりわけ「懸念」を示しました。

 米国による同国再建の取り組みの象徴となっていた在カブール米大使館では、15日夜までに全職員が空港へ退避。米国旗も降ろされ、閉鎖されました。

 バイデン米大統領は首都制圧に先立つ14日の声明で、「もう1年だろうと5年だろうと、米軍駐留が(アフガン情勢で)違いを生むことはない。次の米大統領にこの戦争を引き継ぐつもりはない」と述べ、今月末までの米軍撤収方針を変えない考えを改めて示していました。

 日本や欧米など各国政府は15日、国外退避を求める外国人や市民の安全を尊重するよう呼び掛ける共同声明を出しました。


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