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2021年8月2日(月)

きょうの潮流

 劇場のなかの乾いた笑いには怒りが入り交じっていました。現役の首相を題材にした政治ドキュメンタリー映画「パンケーキを毒見する」が公開中です▼ケンカ師ともばくち打ちともいわれる菅首相。周囲の証言や取材に風刺を挟み込みながら、その本性に迫ります。あぶり出されてくるのは「権力を求め、権力に酔いしれ、権力を守り続けたい」姿▼「菅さんはどこかスカスカしている」。監督の内山雄人(たけと)氏の印象です。そんな人物がこの未曽有の事態に国のかじ取りを託されている不幸と恐ろしさ。それがひしひしと伝わってきます▼これだけコロナ感染が爆発し、専門家や医療現場から強い懸念が出されているのに、五輪を強行し、そのうえ楽観論をふりまく。危機感を共有できない姿勢が、みずからの責任を逃れ、権力を守るためのものだとしたら…。まさにこの映画が表したかった彼の素顔ではないか▼仕事がなく日々の生活に追われる人たち、いつまでも営業自粛を強いられる飲食店、夏休みに海や山にも行けない子どもたち。なんど緊急事態宣言を出し、延長・拡大しても感染が収まらないのは、ひとえに国民の命とくらしに立ち位置を定めていない首相や政権に責任があります▼歴史を振り返っても、ときの権力者の誤ったメッセージは国と民を破滅へと突き落としてきました。先の映画では多くの分野で日本が世界から遅れた国になっている現状も。製作者たちは呼びかけます。このままでいいのでしょうか。見たら選挙に行こう。


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