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2021年7月30日(金)

きょうの潮流

 人類初の月面着陸は1969年7月20日でした。地球では6億人が中継を見守り、アポロ11号のアームストロング船長は「これは人間にとっては小さな一歩だが、人類にとっては大きな跳躍だ」と語りました▼それから52年の同じ日。ネット通販大手アマゾン創業者のジェフ・ベゾス氏が、自ら設立した宇宙開発企業のロケットに搭乗。約10分の宇宙旅行を楽しみ、「アマゾンの全従業員、全ての顧客に感謝したい。あなた方が今回の費用をすべて払ってくれたのだから」とはしゃいでみせました▼ネット上では、「私の従業員にとっては小さな賃金だが、私のエゴにとっては大きな跳躍だ」との皮肉も。計画の発表以来、「地球に帰ってこないで」という署名まで登場し現在、19万人を突破。帰還後も数が伸びています▼商業宇宙旅行の先駆けを大富豪が競っています。無重力の4分間のためにベゾス氏がつぎ込んだのは550億ドルといい、これだけあれば約3400万人を飢餓から救えるとの指摘も▼米国など28カ国の世論調査(イプソス)では、「社会の分断」の原因は「貧富の差」と答えた人が「政治」や「階層」を抜いてトップに。コロナ禍で米メディアも、ベゾス氏ら富裕層は、あの手この手で所得税の支払いを逃れていると追及を強めています▼「スリルを味わいに宇宙に行ける億万長者は、地球で富裕税を支払うことは可能だ」(ウォーレン上院議員)。資産に課税し、富裕層に応分の負担を求めよう―米議会で声が上がっています。


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