しんぶん赤旗

お問い合わせ

日本共産党

赤旗電子版の購読はこちら 赤旗電子版の購読はこちら
このエントリーをはてなブックマークに追加

2021年7月27日(火)

やまゆり園 障害者19人殺害5年

差別なくす 若者誓う

「私も傷ついた」

 2016年に相模原市緑区の障害者施設「津久井やまゆり園」の元職員、植松聖死刑囚が入所者19人を殺害した事件から26日で5年。園内の追悼碑には県外からも追悼に訪れる若者たちがいました。


写真

(写真)追悼碑に献花し手を合わせる若者=26日、相模原市

 「私も傷つき、被害を受けたような気持ちと同時に、加害者にもなったような気持ちだった」。事件当時を振り返るのは、大学生(23)=東京都八王子市=。知的障害のある兄がいます。

 23年間の兄との生活の中で、兄に対する家族の視線と社会の視線が違うと感じてきた大学生。「兄は健常者じゃないんだ」と思い、模索し始めた矢先に事件が起きました。

 「献花台の花の数が(以前に献花に来た)2年前よりも減っている感じがするし、今日東京からここに来る途中に花を持っている人をほとんど見かけなかった。忘れられたのでは」と事件の風化を危惧しています。

 他方、5年たってもインターネット上の障害者への差別的な声や、共生社会が進まない現状を「腹立たしいというより悔しい」と。「これからも毎年献花に来たいし、忘れられない」。献花台を見つめていました。

 女性(28)=同市=は事件当時、特別支援学校で美術の教師でした。今の社会の風潮がこのような犯罪につながっていると考え、障害者差別に反対する気持ちから献花に訪れました。

 献花のとき「二度とこういう事件が起こらない社会をつくるので見ていてください」と話しかけたといいます。

 今回、追悼碑に殺害された19人のうち7人の名前が刻まれたことについて「名前があることで一人ひとりの人格が認識されるので良いことだと思う」と話しました。

 現在、美術系の専門学校で学ぶ女性。「障害のある人もない人も一緒に生きることができる、共生社会をめざす思いを表現した作品づくりをしていきたい」


pageup