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2021年7月26日(月)

女性少ない法曹界「草の根から変える」

司法にジェンダー平等を

パネル討論

写真

(写真)日本で国連女性差別撤廃条約が発効して36年で行われたパネルディスカッション=25日、東京都千代田区

 日本で国連女性差別撤廃条約が発効して36年となる「女性の権利デー」の25日、パネルディスカッション「女性の権利を国際基準に!司法にジェンダー平等を!」が都内の連合会館とオンラインで行われました。オンラインと会場を合わせて165人が参加しました。

 夫婦別姓をめぐる訴訟を多く担当している弁護士の川尻恵理子さんは、日本の裁判で国際人権条約が持つ意味について「条約は国内法より上の立場。裁判所は条約に違反する国内法令を判断する権利があり義務があるのに、放棄してしまっている」と現状を批判。「私たち弁護士が裁判の中で条約違反は許されないと主張していくことが必要」としました。

 亜細亜大学国際関係学部教授の秋月弘子さんは、日本の司法におけるジェンダー平等の課題について「日本は、人権先進国ヨーロッパに比べると議論が内向きだ」と指摘。「ジェンダー問題から、誰ひとり取り残さない多様な社会をつくっていきたい」と強調しました。

 条約上の人権を侵害された人が、国内で救済手続きを尽くしてもなお救済されない場合に、条約機関に被害通報し審理してもらう個人通報制度があります。これを導入するために人権条約の選択議定書の批准を求めてきた弁護士の中島広勝さんは、日本政府が同条約を批准していないことについて「専門家集団による国際基準で示された指摘を真摯(しんし)に受け止めて、国内の人権水準を高めていくべきだ」と話しました。

 早稲田大学大学院法務研究科教授の石田京子さんは「女性の権利の問題は人権の問題なのに、しっかり取り組まないのは裁判所として権利放棄だ」と批判。「そこには司法の男性性という土壌がある」と批判。「日本の法曹界に女性が少ないというアンバランスを草の根から変えていかなければならない」と訴えました。


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