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2021年7月22日(木)

五輪関係者運ぶバス乗務員に外出禁止指示

食事や買い物も困難

 東京五輪・パラリンピックの大会関係者を運ぶバス乗務員が、新型コロナウイルス感染対策がずさんな宿舎に押し込められている問題で、緊急時以外の外出禁止を指示する注意書きが7月中旬、宿泊施設内に張り出されました。宿泊内の店舗が早い時間に閉まるため、外出が禁止されれば食事や買い物に困ることになります。(遠藤寿人)


写真

(写真)外出禁止などを定める利用ルールの張り紙(提供写真)

 宿舎は渋谷区の国立オリンピック記念青少年総合センター。掲示文書はエレベーター内に2通張られていました。1通は五輪組織委員会(9日付)の「ドライバーの皆様へ 宿泊利用にあたってのお願い」。もう1通は「オリンピックセンター利用時のルールについて」です。

組織委「お願い」

 組織委の「お願い」は、新型コロナがまん延しているためとして、ドライバーにも外出の「自粛」と利用時のルールの「遵守」など、感染対策の徹底を求めています。「遵守されない場合には、ご所属とお名前を確認させていただく場合も」と強調します。

 「利用時のルールについて」には「緊急時以外の外出は禁止」と明記しています。「食事については、センター内の食堂・売店をご利用いただくか、事前に購入」と記載。これらを「厳守」するよう求めています。

 奇妙なのは、「センター内では、ID(ネームプレート)を外してください」と指示していること。理由として「組織委員会より、オリパラ関係者が宿泊していることは伏せるよう指示されている」ことを挙げています。

 行動エリアは、感染拡大防止のため「他の利用団体との交錯を防ぐ必要があり、行動可能エリアは宿泊エリアのみとします」と限定しています。

不可能なルール

 行動可能エリアが宿泊エリア(A~D棟)内に制限されると、利用できるセンター内施設はD棟1階にあるコンビニエンスストアだけ。午前8時半に開店し午後6時には閉店します。他の施設の飲食店も閉店が午後5時や6時半で、深夜勤務のドライバーが利用することは不可能です。

 あるドライバーは「張り紙に関係なく外出している。締め付けはない。外出しないとやっていけないし。買い物したくても外のコンビニしか開いていない。張り紙は建前だけ。不可能なルールを押し付けている」と指摘。こう訴えます。

 「仕事を終え宿に戻るのは夜中の午前0時を回る。午後10時半に終わっても、バスの後片付けをして宿まで40分かかる。もうその時間は外のコンビニしか開いていない」


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