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2021年7月22日(木)

きょうの潮流

 東京五輪開会式の音楽担当を辞任したミュージシャンの小山田圭吾さんは、障害者のことを自分と同じ人間だと考えていなかったのではないか。障害のある同級生へのいじめを武勇伝のように語っていました。そこには、障害者は劣っていて消えるべき存在だとする優生思想が▼「国や企業の利益になるかとの物差しで人の“利用価値”をランク付けすること」。藤原精吾弁護士は優生思想について語ります。それは社会のあちこちに。ALS患者嘱託殺人事件や中央省庁による障害者雇用率水増し問題、自民党議員の同性カップルは「生産性ない」発言…▼能力主義の中で育ち、弁護士になったと藤原さん。転機は、弁護士3年目のときにかかわった全盲のシングルマザー堀木文子さんの裁判です。障害ゆえに不便があっても工夫しながら乗り越える障害者。それでもなお障害があるというだけで差別を受ける人たちがいることに気づいたのです▼「障害者は安楽死させるべきだ」。障害者支援をしながらも優生思想的な価値観を抱くようになった植松聖死刑囚。障害者施設「津久井やまゆり園」の入所者19人を殺害しました。26日で事件から5年です▼今なお障害者や困難を抱える人たちを排除し、差別する政治や社会があります。私たちはどうしたら克服できるのか▼「社会に浸透する優生思想を変えていこう」と、藤原さんは運動を呼びかけます。障害者権利条約を羅針盤に、障害者の人権を尊重し、促進するような社会を実現していこうと。


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