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2021年7月22日(木)

税逃れ富豪が宇宙旅行

アマゾン創業者に批判の声

 【ワシントン=島田峰隆】米アマゾン・ドット・コム創業者のジェフ・ベゾス氏が立ち上げた宇宙企業が20日、同氏ら4人を乗せた民間宇宙船を打ち上げ、顧客を乗せた初の宇宙旅行に成功しました。「歴史的」と評される一方で、コロナ禍に乗じて資産を増やし、税逃れを図る世界一の富豪の宇宙旅行に批判の声も出ています。

 国際NGO「オックスファム」は19日、億万長者は不公平な税制と脆弱(ぜいじゃく)な労働者保護で資産を増やしていると指摘。「連邦所得税をほとんど払わないくせに自らの宇宙旅行には75億ドル(約8200億円)も費やせる」とベゾス氏を批判し、富裕層への課税強化で病院や学校などをつくるべきだとしました。

 民主党のアンディ・レビン下院議員は19日、ツイッターで、ベゾス氏が10分間の宇宙旅行を楽しむ一方で「アマゾンの倉庫労働者は10時間立ちっぱなしで働く」と批判しました。

 サンダース上院議員のスタッフ、ウォレン・ガンネルズ氏は19日、ツイッターで、「経済的正義のある世界なら、ホームレスや飢餓をなくすためにベゾス氏に1000億ドル(約11兆円)の地球帰還税を課すだろう。それでも彼はまだ世界で8番目の富豪だ」と指摘。18日には「ベゾス氏らは看護師よりも低い税金しか払わず、宇宙旅行を競っている」と投稿しました。

 米シンクタンク「政策研究所」(IPS)によると、新型コロナウイルス感染が広がり始めた昨年3月から今年7月までの期間にベゾス氏は資産を88%増やしました。7月時点の資産総額は約2120億ドル(約23兆円)です。

 米調査報道機関プロパブリカは6月、税逃れによってベゾス氏が2007年には連邦所得税を全く払わず、14~18年には実際の課税率が1%足らずだったと報じました。


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