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2021年7月20日(火)

五輪反対ネット署名14万人

広がり 国民感情反映

識者らが報告、開催中止訴え

 東京五輪・パラリンピック中止を求める緊急ネット署名の呼びかけ人である元フランス大使の飯村豊さん、東京大学名誉教授の上野千鶴子さん、ジャーナリストの春名幹男さんが19日、日本外国特派員協会で記者会見を開きました。会見では、署名が約14万人に達し、急速に広がっていることを報告し、開幕が目前に迫った五輪の中止を訴えました。


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(写真)東京五輪の中止を求め、記者会見をする(左から)上野千鶴子、飯村豊、春名幹男の3氏=19日、東京都千代田区の日本外国特派員協会

 飯村さんは「呼びかけ人の政治的立場はさまざまだが、五輪反対の一点で集まった。人びとの五輪への感情の反映だ」と政治的立場を超えた連携を強調しました。

 「新型コロナウイルス感染症の急拡大やワクチン接種率の低さなど深刻な現状に、人びとは不安を抱いている。不安は日本政府や五輪組織委員会への怒りに変わっている」と述べ、「五輪を中止し、途上国のコロナ問題に全力をつくせ」と訴えました。

 上野さんは五輪開催ありきで暴走する動きに「私たちは、自分の親世代に日本はなぜ戦争をしたのと問いただしたが、今度は逆に、私たちがなぜ五輪をしたのと子どもたちの世代から問われるだろう。目に見える形で反対を伝える必要がある」と語りました。

 春名さんは「安倍前首相は昨年、政治的な動機で、科学者や専門家の意見を聞かず独断で五輪を延期した」と延期の時点で問題があったと指摘。国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長の独断的指導下で、ドーピング汚染や利権など多くの問題が起きていると指摘しました。

 インドネシアの記者は、同国でも大使をしていた飯村さんに、「選手の頑張りを前に反対を訴えることをどう考えるか」と質問。飯村さんは「選手の頑張りは尊敬している。しかしコロナ禍は、日本だけでなく世界全体に関わる問題だ」と答えました。


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