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2021年7月20日(火)

きょうの潮流

 よほど印象が強かったのか。またも菅首相が「東洋の魔女」の思い出話を披露したといいます。今度は国際オリンピック委員会(IOC)関係者の歓迎会で▼1964年の東京五輪で優勝した日本女子バレーボールチームを指したもの。回転レシーブをはじめ必死にボールを拾い、金メダルをとった姿が焼き付いているらしい。党首討論の場や五輪日本選手団の壮行会でもくり返しています▼五輪といえば、と持ち出す話。それでいいのか。当時は深夜まで及んだ厳しい練習にスパルタ指導。今ではとうてい通用しない時代錯誤をそのままにして話されても選手たちは戸惑うばかりでしょう▼もう一つ口にするのが「夢や感動を与える機会」。しかし夢や感動は見る側が感じるものです。そこには公平公正な土台が欠かせません。コロナ禍で出場できない、満足な練習や調整もできない選手がいる大会ではメダルの色もあせてしまいます。発言からは五輪やスポーツへの無理解がにじみ出ています▼フェアではない大会の強行といい、安心安全ではないコロナ対策といい、人権や命を軽んじる政治はNO。直近の世論調査では、菅政権の支持率は軒並み過去最低となりました。なかには「危険水域」といわれる2割台に落ち込んだものも▼感染拡大の不安が現実となるなかで開かれた先の歓迎会。バッハ会長は、菅首相をはじめ日本の関係者にこう呼びかけました。「われわれは同じ船に乗っている」。そんな泥船に一緒に乗ることだけはごめんです。


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