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2021年7月5日(月)

きょうの潮流

 山の地下では赤白の二龍が温泉を生み出しているという言い伝えがあります。麓にある「走り湯」は、山中から湧き出した湯が海岸に走り落ちるさまから名付けられました▼熱海・伊豆山(いずさん)の急斜面をごう音とともに一気に流れていく真っ黒い土砂。3日に発生した大規模な土石流が人や街をのみ込みました。出会いの場所として知られる逢初(あいぞめ)橋には倒壊した家々が引っかかっていました▼相模湾に迫る急傾斜の温泉地は明治の頃から別荘や住宅が建てられ、開発が進んできた地域だといいます。火山灰が積もり崩れやすく、土砂災害の警戒区域にも。山を背にした危うい所が多く、避難指示をはじめ、早め早めの判断が必要ではなかったか▼土石流を引き起こした大雨は平年の7月の総雨量をこえるものでした。停滞する梅雨前線に暖かく湿った空気が流れ込み、同じ場所に強い雨が降り続く。この時期特有の天候がまたも災害をもたらしました▼4日は67人が犠牲となった熊本豪雨から1年。その前年は九州南部、そして西日本、九州北部と直近の4年を振り返るだけでも7月上旬に被害が集中しています。梅雨の終わりに積み重なる痛ましい記憶と無念。教訓は生かされないのか▼地球温暖化によって頻度や激しさを増す異常気象。対する備えはこの国の喫緊の課題になっています。列島の地形を見れば同じように危険が伴う場所はいたる所に。毎年のようにくり返される災害、それと真剣に向き合おうとしない政府。「安全安心」が問われます。


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