しんぶん赤旗

お問い合わせ

日本共産党

赤旗電子版の購読はこちら 赤旗電子版の購読はこちら
このエントリーをはてなブックマークに追加

2021年7月4日(日)

ドーッ 迫る土砂

家もバスも流す

熱海住民「危機一髪逃げた」

 静岡県熱海市伊豆山地区で3日午前に発生した土石流。大量の水と土砂が住宅やバスまで押し流し、職場、自宅といった生活圏を寸断しました。

 「最初、木材が壊れるギーギー、ガーガーいう音が聞こえた。そのあとドーッ、ザーッと水が流れるような音がした」

 同地区に住む男性(29)が振り返ります。職場のガラス工房は海沿いを走る国道135号に面し、逢初川(あいぞめがわ)近くにあります。

 「驚いて様子を見に行くと、土砂が店の20、30メートルほど先まで流れてきていた。バスが持ち上がって流されるのを見て、すごく怖かった」

 日本共産党の小坂幸枝熱海市議は現場の調査に入りました。道路が通行止めのため、徒歩で回りました。

 「川の上流部は規制線が張られ、救急車両がひっきりなしに行き交い、緊迫した状況だ。伊豆山地域は断水している」と話しました。

 避難所になっている仲道公民館では50代の男性が「朝、携帯電話の緊急エリアメールが鳴ったのでおかしいなと思っていた。自宅の外に土砂が来ていたのを見て、走って逃げた。危機一髪だった。自宅は半分土砂に埋まってしまった」と訴えたといいます。

 小坂市議は「下流部では水があふれ、住宅の土台が流されている所もある。国道沿いのタクシー会社の建物には土砂が流れ込んでいた。逢初橋は土砂に埋まった。周囲では1メートル以上も堆積した土砂を重機で除去していた」

 市内の物品卸業者の男性従業員(72)は土石流で国道135号が通行止めになったため、伊豆山地区にある自宅に戻れなくなったと語りました。

 「自宅は無事で家族と連絡は取れているが、自分は市外の実家にいくしかない」

 「それほど雨の多い地域ではない」といいますが、この3日間は断続的に降り続いたと話します。

 「びっくりするような強い雨ではなく、普通に外出ができた。かっぱを着ているとじとっと、ずぶぬれになるような雨だった」

 午前3時ごろ目が覚めると雨音が聞こえました。8時ごろ、現場の前を通って出勤。配送の仕事で、土石流が発生した10時半ごろは約2キロ離れたところにいたといいます。


pageup