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2021年6月24日(木)

きょうの潮流

 どれほどのわくわくどきどきだったか。「待ちに待った希望の火」「その日を待つヒノキ舞台」。初めて日本で五輪が開かれる1カ月前、あふれる期待と高揚を報道は伝えています▼57年前、沖縄に到着した聖火リレーは熱烈な歓迎をうけながら列島をめぐり、選手村も海外から迎え入れるための総仕上げ。最後の調整に励む日本代表の動向も逐一報じられ、開催地東京の準備状況は世界からたたえられていました▼うわついた気分をいさめる記事も表れるほどの盛り上がり。いまはどうか。間近に迫った興奮も熱気も見えません。あるのは、ほとんどの国民が感じている感染拡大への不安と大会をめぐるドタバタです▼専門家の提言を無視して1万人の観客上限を決めたかと思えば、検討していることに批判が集中した会場での酒販売は見送りに。入場券があっても、いまだに観戦できるかわからない状態です。来日した選手団に陽性者がいたことも不信をひろげています▼開催地の人びとの支持と安全で公平な競技環境は五輪を開くための前提です。それがことごとく崩れているのに強行しようとする菅政権と小池都政。そして、「さあ始めるぞ。われわれはもう準備ができている」と能天気なIOC会長▼東京大会は五輪の意義を問い直す機会になると組織委の橋本聖子会長はいいます。ならば、何のための五輪か、だれのための五輪か、そこから出発すべきではないのか。あと1カ月。無理やりの開催は五輪そのものを台無しにするだけです。


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