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2021年6月21日(月)

きょうの潮流

 テレビの女性キャスターの存在が珍しくなくなってきました。一方で、いまだに“女子アナ”と揶揄(やゆ)する呼び方がまかり通ってもいます▼女性放送人第1号の登場は古く、1925年東京放送局(NHKの前身)が放送を開始した3カ月後でした。翠川(みどりかわ)秋子がその人です。夫を病気で亡くし、3人の幼い子を養うために放送係として家庭講座を担当。同時にアナウンサーを務めることになったのです▼当時、多くの女性は着物姿。その中で翠川は断髪洋装でした。さっそうと働いていたと想像できますが、わずか7カ月で辞職してしまいます。「局内で風当たりが強かった」(『アナウンサーたちの70年』)と記されています▼かつて民放には女性に限って若年定年制がありました。名古屋のメ~テレが30歳、広島テレビが25歳、松山の南海放送が26歳で雇い止め。ある局の副社長は「30歳はもはや美しくないから首を切る」とまで言っていました▼これらを昔の話と片づけるわけにはいきません。先ごろ発表された民放労連の調査によると、放送局で働く女性の割合は東京キー局で10~20%台。報道や制作部門の局長クラスの女性はゼロという結果が出ています。ジェンダーギャップ指数は156カ国中120位と年々下がる傾向が続きます▼「ジェンダー平等は時代遅れ」と言い放った「報道ステーション」のCMに批判が殺到したのは最近のことでした。女性目線を踏みにじるものは受け入れられない時代。放送界が変わることこそ求められています。


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