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2021年6月10日(木)

米億万長者の上位25人 所得税ほとんど払わず

調査報道機関報道

 【ワシントン=遠藤誠二】非営利の米調査報道機関プロパブリカは8日、インターネット販売大手アマゾン創業者のベゾス氏、電気自動車テスラのマスク最高経営責任者(CEO)、投資家のバフェット氏ら、同国の上位25人の億万長者が、巨額な富を築く一方、税逃れで連邦所得税をほとんど払っていないと報じました。

 プロパブリカは、内国歳入庁のもつ納税記録を独自入手し、分析。それによると、ベゾス氏は2007年に連邦所得税を1ドルも払っておらず、マスク氏や、金融情報サービス創業者のブルームバーグ元ニューヨーク市長も同様に、連邦税を払わなかった年があるとしています。

 フォーブス誌によると、億万長者25人は2014年から18年までの5年間で資産価値を計4010億ドル(約44兆円)増やしました。プロパブリカによると、その間、25人が支払った連邦所得税は136億ドルで、所得の3・4%にすぎません。米国の最富裕層の所得税率は37%で、その10分の1も税金を納めていないことになります。

 バフェット氏は、同じ5年間に243億ドル儲ける一方、2370万ドルしか税金を納めず、実質の税率は0・1%。同期間、ベゾス氏は990億ドル資産を築きながら9億7300万ドルを払い、実質の税率は0・98%でした。

 プロパブリカは、「同じ期間に典型的な国民は100ドル富を増やすごとに税金を160ドル払っているものの、ベゾス氏は100ドルあたり1・09ドルしか払っていない」と不公正ぶりを指摘しています。

 新型コロナウイルスの感染拡大で格差がさらに広がる米国では、格差是正にむけた富裕税導入の意見が出ています。

 株や家屋・土地、豪華クルーザーなど富裕層の資産に2%の富裕税を課すことを主張し続けている民主党のウォーレン上院議員はツイッター上で、「私たちの税制度は億万長者によって不正に操作されている」と痛烈に批判しています。


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