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2021年5月7日(金)

文科省接待疑惑

説明拒否 保護者怒り

豊栄学園「大きな問題ではない」

保護者会長が批判「言い訳通用しない」

 学校法人「豊栄学園」(宮崎県三股町、清水豊理事長)が文部科学副大臣だった亀岡偉民・復興副大臣(自民党衆院議員)や文科省官僚などを繰り返し接待した疑惑をめぐって、同学園が経営する都城東高校の保護者から説明を求める声が上がっています。背景には、疑惑の真相が明らかになったとは言えない現状があります。(丹田智之)


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(写真)豊栄学園(清水豊理事長)が経営する都城東高校=3月18日、宮崎県三股町

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(写真)学校法人「豊栄学園」による接待疑惑を報じた本紙の記事

 豊栄学園が文科省幹部を接待した疑惑の報道(本紙3月22日付)などを受け、都城東高校保護者会(来須信博会長)は同月30日、清水理事長の出席による保護者説明会を開くよう学園側に要請しました。

 来須会長は、指摘します。

 「学園が国会議員や官僚の接待で異常な支出をしていた疑いがあります。国の補助金や情報を得るための不適切な接待だったのではないか」

 学園は清水理事長の就任(2013年1月)後、14年度から18年度にかけて年間約300万~約400万円もの交際費を支出しています。旅費交通費の支出も交際費と同様に増え、14年度と16年度、18年度には1200万円を超える支出をしています。

 交際費が増えた期間と重なるように、学園は15~20年度にかけて文科省から計約1億5千万円の補助金や委託費を受けていました。

 疑惑の報道を受けて文科省が調査した後も、学園側から保護者への報告は一切ありませんでした。この状況に保護者から怒りの声が上がっていました。

 ある在校生の保護者はこう語ります。

 「学園の経費を政治家や官僚の接待に使っていたのなら、教育機関としてあってはならないことです」

 ところが―。保護者会が説明を申し入れた数日後、学園の幹部から来須会長にあった返答は「要請には応じられない」。来須会長によると、説明会を開かない理由は「大きな問題ではない」とのことでした。

 文科省の調査によると、15年と17年に藤原誠・文科省官房長(当時、現事務次官)、清水理事長と高級焼き肉店で会食した際の代金は、亀岡議員が自身と藤原氏の分を現金で清水理事長に払ったといいます。

 他方、本紙が確認した資料によると、清水理事長は亀岡議員、藤原氏の分も含めて学園側に請求し、会食代の全額を受け取っていました。本紙の取材に清水理事長は、報道を受けて精算のミスに気付いたとして「(亀岡氏から支払いがあった飲食代は)学園に返している」などと説明していますが…。

 保護者会の来須会長は「理事長の説明が事実なら、長年にわたって学園の経費を横領していたことになります。ミスなどという言い訳は通用しない」と批判します。

 前出の保護者もこう憤ります。「問題がないと言うのなら、保護者の前で説明すべきではないか。学園側が説明しない限りは問題が長引くことになります。このまま(説明責任を果たさず)やり過ごそうという姿勢は納得できない」


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