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2021年5月7日(金)

独、削減目標引き上げ

温室効果ガス 実質ゼロ前倒しへ

 【マドリード=桑野白馬】ドイツ政府は5日、温室効果ガスの排出量削減目標を2030年までに1990年比で55%減とする目標を引き上げ、65%減とする方針を固めました。排出量を実質ゼロとする期限は2050年までとしていましたが、45年に前倒しします。今後、閣議決定を経て、削減の目標や手順を盛り込んだ気候保護法の改定を行う予定です。

 同方針は、シュルツェ環境相とショルツ財務相が発表。それによると、中間目標として、30年までに65%削減、40年までに88%削減を目指します。同環境相は「将来世代に最大の負担を残さないという意味で、若い世代にとっては公平な負担だ」と述べました。メルケル首相は、「45年までの気候中立(実質排出ゼロ)達成へ全力を挙げる」と表明しました。

 ドイツ憲法裁判所は先週、削減目標が十分でないとする気候活動家らの訴えを受け、削減目標を盛り込んだ気候保護法が基本法(憲法)に違反していると判断。30年までの削減に比して、それ以降の削減幅が大きく、将来世代の「自由の大幅な侵害」になると断じました。この判決で、政府は22年末までに31年以降の排出量削減の方針を明確にするよう迫られていました。

 9月に連邦議会選挙が行われるドイツでは、直近の世論調査で環境政党「緑の党」がメルケル政権与党キリスト教民主同盟(CDU)の支持率を上回って1位になり、政権をうかがう勢いとなっています。


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