しんぶん赤旗

お問い合わせ

日本共産党

赤旗電子版の購読はこちら 赤旗電子版の購読はこちら
このエントリーをはてなブックマークに追加

2021年4月21日(水)

きょうの潮流

 友人は障害福祉サービス事業所の施設長。悩みは尽きません。例えば台風が近づく時。事業所は明らかに浸水しやすい場所にあります。「でも『明日はお休みです』とするかどうか、ギリギリまで決めかねてしまう」と、ため息をつきました▼もちろん利用者の安全確保が最優先です。判断が遅れるのは、利用した分だけが収入になる報酬制度だから。事業所を1日閉めると、40万円が入ってこない。だからつい決断が鈍るのだと。「こんなのおかしいよね」と制度の改善を切望します▼新型コロナウイルスの感染拡大で、注目されるようになった「ケア労働」。福祉や医療、保育など、命と健康を守るかけがえのない仕事なのに、処遇は悪い。それでもほんの少しの改善がなされた矢先に、コロナが直撃。人手不足は深刻化しています▼福祉の現場で働く人を対象に、総合社会福祉研究所がアンケート調査をしています。締め切りは5月末。「感染リスクが高く、責任が重い割には評価が低い」「やりがいはあるけれど、転職も考える」「代替要員がなく、休めない」…。研究所サイトの回答フォームには、たくさんの声が寄せられています▼先が見えないコロナ禍。たとえ収まったとしても、別の感染症に見舞われる可能性を見据えて、備えるなら今。非常事態に対応できる人員体制や充実した設備は、何もない“平時”には豊かなケアを保障することでしょう▼子どもの将来を心配して親や教師がブレーキをかける仕事ではなく、安心して背中を押せる仕事に。


pageup